引用元:日刊工業新聞
2025年10月、AIスタートアップ企業「オルツ」の創業者で元社長の米倉千貴氏が、粉飾決算(不正会計)容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。
同社は議事録自動作成サービス「AI GIJIROKU」などを展開し、急成長を遂げていた一方で、売上高の8~9割を循環取引によって水増ししていたことが明らかになっています。
本記事では、オルツ米倉氏の粉飾事件の全容を、事件の経緯・手口・捜査状況・社会的影響まで徹底解説。
AIスタートアップ業界における急成長と不正会計の闇を理解する上で、必読の内容となっています。
1. オルツ米倉氏粉飾事件とは
2025年10月9日、AIスタートアップ「オルツ」の創業者・元社長の米倉千貴氏を含む旧経営陣4人が、粉飾決算(不正会計)容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。
オルツは、議事録自動作成サービス「AI GIJIROKU」を主力とする急成長企業でしたが、売上高の8〜9割を循環取引による水増しで装っていたことが明らかになっています。
2. 事件の全容

2022~2024年の虚偽決算
米倉氏は、2022~2024年の決算で実際の売上高約10億円に対して約60億円を虚偽に計上し、有価証券報告書に記載して関東局に提出した疑いがあります。
過去4年間(2021~2024年)の売上合計約137億円のうち、約86%(約119億円)が虚偽計上でした。
手口の詳細
7月の第三者委員会報告書では、米倉氏ら旧経営陣の主導による組織的不正と認定されています。
3. 上場廃止と民事再生手続き

オルツは2025年8月、東証グロース市場から上場廃止され、民事再生手続きに入りました。
急成長企業である一方、虚偽決算の発覚は社会に大きな衝撃を与え、投資家や関係者の信頼を大きく揺るがしました。
4. 捜査・現状
東京地検特捜部は、架空売上による有価証券報告書虚偽記載容疑で米倉氏を含む旧経営陣を逮捕。
証券取引等監視委員会と連携し、不正会計の全容解明を進めています。
オルツ社は公式に「関係機関に全面的に協力」「事態の深刻さを遺憾」と表明しています。
5. AIスタートアップ業界への教訓

今回の事件は、急成長ベンチャー企業が抱えるリスクを浮き彫りにしました。
投資家への損害は甚大で、AIスタートアップ業界全体の信頼性向上と再発防止策が急務です。
6. まとめ
オルツの米倉氏粉飾事件は、日本のAIベンチャー史上最大規模の不正会計事件として、刑事・経済両面で社会に大きな影響を与えています。
循環取引による売上水増し、監査体制の欠陥、組織的な不正の構造が明らかとなり、投資家・業界への教訓となる事例です。
今後は、AIスタートアップの急成長と倫理・ガバナンスの両立が、業界全体の信頼を左右する重要課題となるでしょう。
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